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2021年5月22日土曜日

うつ病バイオマーカーの2つの論文(リン酸エタノールアミンについて)

昨日は第31回アミノ酸セミナー(国際アミノ酸科学協会主催)という集まりに参加させてもらい、帝京大学医学部の功刀浩先生のご講演「うつ病とアミノ酸」を拝聴しました。患者さんの脳脊椎液や血液の代謝物を分析し、うつ病のバイオマーカーを探索したという内容でした。私もうつ病モデルマウスを使って、代謝物の解析をしていくつか論文を発表してますので大変興味深く聞きました。講演内容の論文はJPRに2018年に発表されてます。

Plasma amino acid profile in major depressive disorder: Analyses in two independent case-control sample sets

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022395617305344?via%3Dihub

この論文のなかでは、リン酸エタノールアミン(PEA)がうつ病患者さんの血漿で高値だと発表しています。一方で興味深いことに同時期に国内から発表された論文では逆に患者さんの血漿でPEAが低値を示すと発表しています。クリニックの院長をされている川村則行先生の論文がこちらです。2018年にPsychatry and clinical neurosciencesに発表されています。考察にPEAの分析手法についてコメントがありますが示唆に富んでいます。

Plasma metabolome analysis of patients with major depressive disorder

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/pcn.12638

日経BPの下記の記事でも紹介されていますが、この研究は鶴岡のメタボローム解析ベンチャーであるHuman Metabolome Technologyが解析を担当しています。

https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00003/091300031/

我々はマウスの代謝物を分析していると、分析手法で真逆のデータが出たりします。どちらを取るべきか非常に悩みます。今回のEPAのような事例は珍しいことではないで、個人的にはいくつかの代謝物やmicroRNAなどを組み合わせて、病態のマーカーとするのが現実的かと思っています。特にうつ病のようなヘテロな病気にはそれが良いと思えます。


功刀先生はご講演の最後に、うつ病の予防や治療という観点から食のポテンシャルは非常に高い、とコメントされていました。その一言にとても勇気づけられました。

2020年5月21日木曜日

接骨院、Jog、認知症と乳酸についての論文

午前中は接骨院で加療。やはり右肘の関節が硬くなり、電気刺激とマッサージをしてもらう。痛みはほとんど無くなったが、肘の張りは感じる。週一回の通院。
遠隔ミーティングが続いて夕方遅くなったので息子と2㎞ほど軽くJog。キロ7分。休肝日。

面白い論文があったのでここに貼っておいて後で読む(予定)。

「腸内細菌が代謝する物質(代謝産物)と認知症が関連することを見出しました。特に糞便中の乳酸は認知症において低値を示しました。」

https://research-er.jp/articles/view/88898
https://www.nature.com/articles/s41598-020-65196-6

2018年8月2日木曜日

自然気胸3日目、3次元行動解析の論文

自然気胸発症から3日目。振り替え休日だったが、朝から夜までミーティング三昧。トータル10人とディスカッション。かなり有意義な案件も出てきて盛り上がったが、さすがに疲れて、ラボから駐車場までの徒歩で胸痛。研究費の申請書をいくつか書くことになった。

神経科学会の発表で聞いた講演がPreprintで発表されていた。深度センサとRFIDを組み合わせて4個体の行動を同時にモニタリング。これはすごい。
https://www.biorxiv.org/content/early/2018/06/14/345132

休肝日。胸痛は治まった。

2018年3月19日月曜日

Frei、月田先生

6時起床。この土日は風邪の症状で寝込んでいた(例によって発熱なし)。ずっとFrei。まだ咳こむが本日は会議や打ち合わせが複数あるので出勤した。

週末、寝床で読んだのが国立情報研・新井紀子先生の「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」
https://www.amazon.co.jp/AI-vs-%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8%E3%81%8C%E8%AA%AD%E3%82%81%E3%81%AA%E3%81%84%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%9F%E3%81%A1-%E6%96%B0%E4%BA%95-%E7%B4%80%E5%AD%90/dp/4492762396

定期試験の答案を採点していると、「出題の意図を全く理解してないのでは?」と思える解答が多くなったが、本書を拝読してみると、原因はこれか!ということが良く理解出来る。本書が今後の教育政策にどのような影響を与えるか不明だが、高等教育、特に大学入学後の初年時教育を再設計する上で参考にすべきかと考える。大学のレベルにもよるだろうがアクティブラーニングを講義に活用する前に、やるべきことがあるのかもしれない。大学生になって手を打っても手遅れでないことは本書にも具体例が示されている。


午前中は下記論文を精読。社会的ストレスへの脆弱性は側坐核の血液脳関門の透過性上昇が原因という論文。タイトジャンクションのClaudin5の発現低下がポイントになるとのこと。
https://www.nature.com/articles/s41593-017-0010-3

ちょうどClaudinのクローニングを進めている月田承一郎先生の研究をフォローしていたので、当時(20年以上前)が思い出されて何とも懐かしくなった。私が所属していたERATO高井プロジェクトの打ち上げを神戸でやったときのことである。一次会がお開きになった後、高井先生と月田先生に「とよだ~、二次会行くぞ~!」と声をかけられながら、その日は奥さんの実家の大津まで帰らなければならず辞退したのだが、その後、月田先生は夭逝され、2度とお会いできなくなってしまった。今にして思うとあの時、無理してでも2次会に出ておくべきだった。合掌。

月田承一郎先生の京大ラボのHPは残ってます。茨城に来たあと、研究環境に心が折れそうになるとよくここに来て、心の支えにしてました。
http://www3.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/~htsukita/


午後は来客(企業さん)、学科会議など。


2018年2月22日木曜日

Frei、尿酸とうつ病

6時起床。2度寝して6時20分再度起床。朝から降雪につき車で出勤。Frei。

午前中は知財関係の打ち合わせ、午後は学科会議など。

私は血液中の尿酸値が高くて、必ず健康診断でひっかかるのでSNPsを調べたら、尿酸の排出に関する遺伝的な問題でした。ビールは30代のころよりも減らしましたが飲んでいます。一年間ほど「尿酸値を下げる」と謳ったヨーグルトも寝る前に食べてましたが、最近は一般的なヨーグルトにしています。

下記の論文はうつ病の発症と尿酸値の関係についての臨床研究です。

"Uric acid in major depressive and anxiety disorders"

Journal of Affective Disorders 225 (2018) 684–690

http://www.jad-journal.com/article/S0165-0327%2817%2930557-8/fulltext#

例によって青字は本論文からの引用です。

"Plasma uric acid levels in subjects with current MDD and/or anxiety disorder(s) were lower than in controls (289 vs. 299 μmol/l, Cohen's d .10, p < .001). Subjects with remitted disorders did not differ from controls (p = .726; Table 2, model 3). "

大うつ病(MDD)の患者さんの血漿中尿酸は健常者や治癒した人と比較して、有意に低値ということです。昨日、ご紹介した九大の論文でも尿酸の低値がひきこもりと関連する可能性を指摘してました。

"Higher symptom severity and longer symptom duration were associated with lower uric acid, suggesting a dose-response relationship."

"Intervention studies have however demonstrated antidepressants can increase uric acid (Jiménez-Fernández et al., 2015Liu et al., 2015). Lower uric acid on admission predicted the development of depression in stroke patients (Gu et al., 2015), which is an indication that investigation into clinical uses of uric acid in affective disorders is worthy of further pursuit."

うつ症状の程度や継続期間は尿酸値と相関するとのこと。尿酸の抗酸化能がうつ病発症のリスクを低下させているのでは?とのことですが、メカニズムについてはまだ不明ですね。尿酸値や他のパラメーターで、うつ病発症のリスクを予測できると、予防医療にも貢献しそうです。これはオランダの研究ですが、日本でも同様な臨床研究が進展することを期待します。

2018年2月21日水曜日

Jog、ひきこもりのバイオマーカー

4時50分起床。キロ6分でJog8km。若干心拍高めで若干疲労感あり。曇りで湿度高め。
昼間に学長との情報交換会、教授会など。

九州大学の神庭先生、加藤先生のグループから発表された「ひきこもり」のバイオマーカー探索についての論文を読んでみました。青字は本文からの引用です。
https://www.nature.com/articles/s41598-018-21260-w

私は血中HDL-Cと尿酸が高いのですが、この論文では、男性の場合、これらの数値が低いと回避性人格障害のリスクがあがる可能性を示しています。
In men, lower serum high-density lipoprotein cholesterol (HDL-C) and serum uric acid (UA) were proposed to lead to higher avoidant personality scores (standardized path coefficient (β) = −0.317, p = 0.020; and β = −0.246, p = 0.072, respectively), and less cooperativeness (β = 0.303, p = 0.038; and β = 0.305, p = 0.033, respectively). 

また、実際にひきこもりの男性は血清中の尿酸値、女性はHDL-C値が有意に低かったとあります。やはり性差がありますね。この論文にも書かれていますが、尿酸やHDL-Cには抗酸化作用がありますから、酸化ストレスがひきこもりの病態に関係してくるかもしれません。
Male individuals with hikikomori had significantly lower UA (p = 0.001), and female individuals with hikikomori had significantly lower HDL-C (p = 0.011) (Tables 23).

当然、治療法の選択にも性差が影響しますね。こういう論文を読むとメスのストレスモデルが必要だと痛感します。
For example, exercise or diet interventions, which affect UA and HDL-C levels, may be effective for men with avoidant personality traits. In contrast, women with avoidant personality traits may need psychotherapeutic approaches focusing on personality pathologies and trust.

2018年2月20日火曜日

Bike通勤、Grape seeds成分の抗うつ作用

6時起床。通勤バイクのリアタイヤを交換したので久々にBike通勤。日差しが強いので5kmほど走ると汗ばむ陽気。15.5kmを44分で出勤。帰りも45分程度かかって15.5kmを退勤。ここしばらくRunしかしてないので、巡航スピードが10%ほど遅くなっている。

最近は全然勉強できてないので(今の時期に論文書いたり勉強していると怒られそうな雰囲気もあるし)、以前からフォローしていたマウントシナイ医科大のプロジェクトである下記の論文を読んでみました。
https://www.nature.com/articles/s41467-017-02794-5#MOESM1

プレスリリースはこちら、
https://www.mountsinai.org/about/newsroom/2018/mount-sinai-researchers-find-grape-derived-compounds-capable-of-promoting-resilience-against-stress-induced-depression

Phytochemicalであるdihydrocaffeic acidとmalvidin-3′-O-glucosideを併用で、社会的敗北モデルマウスの社会的忌避行動を予防したり、治癒できるという内容。ターゲットの分子は、彼らが以前から追っているIL-6やRac1ですが、アセチル化やメチル化、はたまたメスのうつ病モデルまでフォローしていて「ここまでやるか?!」という研究。農産物の機能性の探索研究としては、お手本(真似するのは大変だけど)のような仕事です。

この論文で使われていた「スプラッシュテスト」はうちのラボでもできそう。以下、論文から引用。学生さんにやってもらおう。

"Using the splash test, a measure of stress induced decreased self-care that is only reversible by chronic standard antidepressant treatment36, we found that treatment with DHCA/Mal-gluc significantly increased the time spent grooming following aerosol delivery of a 10% sucrose solution to the fur (Fig. 5d). "

自然気胸

 4年ぶりに自然気胸になりました。6月7日の夕方に同僚とディスカッションしてたら急に胸が痛くなり、ああ、例の奴が来たなと思い、仕事が終わった後、筑波メディカルセンター病院に行って診てもらったら、やっぱり気胸でした。前回と同じようなX線画像で今回も経過観察になり、9日木曜日に再検査...